NPO法人 生活の発見会  関東第一支部
      強迫症コラム

「確認の仕方の違い」を 

ご存知ですか   

生泉会    

明念 倫子 


 「確認強迫」で苦しんでいる人の確認の仕方というのは、健康時にやっていたやり方とはそのスタイルが随分異なっているのであるが、悩んでいる人の中でそのことに気づいている人が少ないのが現状である。
 実は、その事実に気づくだけで、症状からの回復の確実な一歩を踏み出すことができるのであるから、普段やっているご自分の確認の仕方をあらためて注視してほしいと思う。

「閉まっている、大丈夫だ」

 
 私は拙著『強迫神経症の世界を生きて』にも記したとおり、長い間「確認強迫」で散々苦しんできたが、そのスタイルはこういう形であった。
 健康時には「ガス栓が閉まった」という情報を、ほとんど無意識に直観的に五感から入手していたが、確認強迫になってからは、五感からではなく「閉まっている、大丈夫だ」、というように言葉にして意思の力に頼って確認するようになってしまった。
 これは森田療法を学んで初めて知り得たことであるが、「人間の意識には必ず反対観念がともなう」ため、「閉まっている」と思えば、それとセットになって「閉まっていない」という観念がうまれるということである。
 そうだとすると、「閉まっている、もう大丈夫だ」、とどんなに自分を説得しても、心のどこかには「閉まっていないのでは?」という不安が湧きあがり、それを「取り除こう」と何度も確認行為に走っていくのもごく自然なことなのである。
 誰でも健康時には、五感を信じて無意識にほぼ直感で「閉まっている」という情報を入手しているから、反対観念が生じる余地もなく楽に確認ができるというわけである。
 しかし一旦私のように、確認情報を「意思の力で入手しよう」とする習慣がついてしまうと、以前のように五感から入手する方法に戻すことは至難の技である。といっても、それなりに妙案(※)があるからガッカリしないでほしい。

「五感というものは信じられる」

 
 それにはまず、自分のやり方が「意識作用に基づくもの」で、「この方法なら反対観念が出ることは当然だ」ということを認識すること。
 つぎに何度か確認したら、反対観念の抵抗にあってスッキリしなくとも「何度も確認した」という事実にすがって、それ以上確認行為の繰返しは避けてほしい。そうしているうちに、「五感というものは信じられる」ということが次第に実感できるようになってくるであろう。
 私の経験によると、人は生きる自信が回復するにつれ<五感への信頼>が戻ってくるように思う。何故なら「確認強迫」というのは、生きる自信の喪失ということと裏腹の関係だからである。


強迫神経症

※生泉会発行の小冊子『仲間とともに強迫神経症を生きる』(生活の発見会で購入可)の中に、体験者が見出した強迫との向き合い方が綴られている。是非参考にしていただきたい。
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『強迫神経症の世界を生きて
   ー私のつかんだ森田療法』
明念 倫子(著)  白揚社